五黄土星は他の八つの星と較べると特異です。他の星の象意は自然やその現象などを束(たば)ね、毎年毎月毎日に渡ってベースにある本命星の象意を反映しますが、五黄土星の象意は人間の暮らしに直結する不幸現象ばかりが象意に上がっています。そう言う意味で五黄土星は、人間の生活を唯一見つめる無二の星と言えましょう。
【五黄殺の現象面におけるおさらいです】
・五黄殺を取ると、天変地異に比するくらいの影響が出る・五黄は中心に破壊力、腐敗力を有する
・内部から腐敗力が発し、人体への影響も懸念されるほどの剋気が突出する
・事業者は自身の内部から衰退していくような現象が出て、業務も低迷していく
・物質の真ん中から腐敗させる強力な力を発する
・家の中心たる寝所は五黄性の性質を持つ
【五黄土星の良い点に着目する】
五黄殺の段でご紹介したように五黄は各星(ほかの八つの星)の人間に対し直接的な剋気を以て、大きな影響を与え得る唯一の星であります。その剋気の力は強大で有を無にして土化(どか)するという作用を常時働かせています。剋気ではあるのですが、五黄の力が強大であり万象が循環していくために絶対必要な媒介役として五黄土気はその存在の意義を強烈に示しています。その作用によって培養土(ばいようど=野菜などの食用植物の生育のため、土を筆頭に排水、保水性、肥料などを目的にして調節し作られる)が作られ、仲介役を果たす虫などを筆頭に、様々な微生物や土中(どちゅう)における分解者(ぶんかいしゃ)の存在があります。
【五黄土気は強力なクリーナーである】
天地が正しく循環していくためには、五黄土気の力は絶対的に必要です。古きものを腐敗させ、天地の狭間でその強力な力を振るうことにより、滅んだものは土に戻して次の季節に向けて生成発展させるという強制力、まさにそれが五黄土気そのものであることを識(し)りましょう。この五黄の力がなければ、地上はいつまでたってもクリーニングがされず明らかに許容量オーバーとなり、ゴミや腐敗物に埋もれてしまう環境状態に陥ることになるのは自明の理と言っても差し支えないでしょう。【五黄土気の力は破壊も辞さず】
五黄土気は古く不要なものを破壊することも辞しません。その破壊された物質も土化され、やがては新しい何かに変貌を遂げ、自然の力によって再生されていきます。今まで本記事でご説明してきました五黄の力は「剋気だから浴びるのは嫌だ!」と逃げまとう対象だけではないということ。感謝して五黄の力に目を向けることがとても大切です。私どもの生きる地球、大地といった環境に対してどれだけ有難い働きをしてくださっているかご理解頂けると思います。人間が生きていくために向かう方位としては、五黄土星は甚(はなは)だよろしくありません。しかし五黄の気があってこそ私ども人間は、毎年毎年、春夏秋冬に渡り最大限良い環境で暮らすことが可能となっていることを踏まえて生活していきたいものですね。ま と め
・1.五黄殺は天変地異の引き金になるほど、進む場所としてはとても良くない・2.五黄の力は強大であり、万象が循環していくためには絶対必要な媒介役としてその存在の意義を示している
・3.五黄の力によって地球は常時、クリーニング作用を受け最大限、良い環境での生活が与えられている、環境破壊をしているのは五黄ではなく我々人間である
・4.五黄土気は古く不要なものに対しては破壊も辞さない
・5.五黄は忌み嫌う対象ではなく、感謝して力を活かせば人間にとって大変頼もしい味方にすらなる
『編集後記』
五黄土星は本来的に持っている星の力の中では、最強との評価を聞き及びます。後天定位盤の基本構成では中宮にどっかと座して、他の九星を睥睨(へいげい=あたりをにらみつけ勢いを示すこと)する様は、私的には「三国志」の暴君・帝王の董卓(とうたく)を想起させます。五黄殺の引き金になることから、方位としては大変厳しい存在と目され気学的には絶対向かってはいけない、方位がとれない唯一の星です。本記事では五黄の強力な力を活かして地球の環境が整備される様を中心に記述させて頂きました。これからも気学を学ぶ人にとって、五黄土星への正しい評価が成されることをご祈念申し上げます。五黄土星の良き役割について書かせて頂きました。如何でしたでしょうか。
この人生に、
皆様との出会いに感謝します。
誠にありがとうございます。